経団連ニュース【経団連ダイバーシティ推進委員会へ参加いたしました】
3月22日(金)経団連ダイバーシティ推進委員会が開催されましたので、ご報告いたします。
まず初めに経団連での委員会活動についてご説明いたします。
経団連では社会課題解決のため、個別の課題ごとに専門委員会を設け、各委員会が定期的に研究会、討論会、会合を開催し、
世界の最先端の取り組みの紹介や会員企業の啓蒙や会員企業のアクションに繋げることを目的としています。
ダイバーシティ推進委員会が新たな風を
さて、今回のダイバーシティ推進委員会は経団連会館2F国際会議場で行われました。会場には200名あまりの参加者が集いました。
なお、参加者の7割は女性となっておりました。
まず初めにダイバーシティ推進委員長を務めるサニーサイドアップ代表取締役次原悦子氏から開会のご挨拶がありました。
冒頭、これだけの女性が集う会は歴史ある経団連の中で今までなかった。新鮮な議論に期待したい、との抱負が述べられました。
お話では、女性社長として創業からご苦労されたお話しや、そうした経験からご自身が女性は、どのようにキャリアップしていくべきかを考え、様々な困難を克服し、株式公開などを経て現在に至ったそうで、現在は、働き盛りに更年期がくる女性を応援できる制度設計、女性だけでなく男性も福利厚生、研修を行っているお話しがありました。
経済損失は3.4兆円にも及ぶ健康課題問題
基調講演は元厚生労働大臣で明るい社会保障改革推進議員連盟顧問の衆議院議員加藤勝信氏による「女性と健康に関する政界の取り組み」についての講演でした。
加藤氏は冒頭より女性特有の健康課題における経済損失は3.4兆円と試算されており、企業経営者がこの問題に向き合うことが重要、そのためには職場の相互理解を醸成させる必要があるとともに、個人の健康、国の社会保険制度の充実、企業の健康経営の三位一体の取り組みを後押ししたい旨のお話がありました。
続いて、特別講演として米国企業で、女性活躍を推進している事例として、オルガノン社CEOケビン・アリ氏が登壇されました。
アリ氏は、少子化に直面している国は日本だけでなく22か国あり、人口動向が重要な問題であることをお話しされ、続いて、事業の80%以上が米国以外となっている自社の取り組みとして、ジェンダー平等の基本に立ち、全世界の職場の平等な環境づくり、女性に優しい分野、エンパワーメント分野への積極投資をしているとの説明があり、こうした活動も、1社では難しく、進出した各国各エリアでパートナーシップが重要とお話しされました。
健康経営が個人、企業、社会を変える
最後のプログラムはパネルディスカッションでした。そこではオムロン社劉越氏、熊谷組黒嶋氏、産業医平野氏、経済産業省相馬氏をパネリストに迎え、
「ダイバーシティと健康経営の現在地」、「キャリアとウェルビーイングに関する施策」というテーマについて議論されました。
オムロン社劉氏からは、オムロン社は過去は東証の健康企業銘柄としての連続選出が目標であったが、現在は健康経営を企業価値の最大化捉えた取り組みに変化した、というお話や、社内でのチャレンジする社員への健康サポートboost5(運動、たばこ、睡眠、メンタルヘルス、食事)を実施し、毎年アンケートにより達成状況とエンゲージメントの相関を確認しているユニークな取り組みが紹介されました。
また社外では、異業種と健康経営アライアンスを設立し、健康経営に取り組む輪を広げる活動を展開しているとのお話でした。
熊谷組黒嶋氏からは、現場環境整備のためにチェックリストを見直し、衛生環境を女性の目線も反映させたものに変更し、トイレ、休憩室、医薬品などを充実させたところ、理系女子や現場女性の活躍の場が広がったお話や、妊活、不妊治療休暇を男女ともに取得できる社内規則の変更などで男女共のワークライフバランスや新たな価値創出への取り組みが紹介されました。
経産省相馬氏からは、ダイバシティ経営はイノベーションに不可欠であり、働く女性と企業のミスマッチを減少させるため、健康経営優良認定法人を推進する一方、新たな取り組みとしてフェムテック事業補助金をスタートさせ、意思決定する立場にもこうしたムーブメントの理解促進、制度導入を広めたいとのお話がありました。
今回参加し感じたことは、私たちも健康会社経営認定、えるぼし認定など社会的取組に参画はしておりますが、実際の理解度や社内制度の整備、異業種連携など、勉強になることが多くございました。
これからも、経団連の取り組みはこうした形でご紹介してまいりたいと考えます。